ITエンジニア副業の実態:統計データで見る市場規模と収入
ランサーズ株式会社が2025年1月に発表した「フリーランス実態調査2024年版」により、日本の副業・フリーランス市場の実態が明らかになっています。
2024年のフリーランス市場規模
全体統計
- フリーランス人口: 1,303万人
- 経済規模: 20兆3,200億円
- 10年前との比較: 約40%の成長
この調査は、2025年1月16日から20日にかけて、2024年1月から12月にフリーランス(副業・社員一人の法人等を含む)として業務の対価報酬を得た全国の20~69歳の男女を対象に実施されました。
ITフリーランス市場の成長
INSTANTROOM株式会社が発表した「ITフリーランス及びフリーランスエージェント市場白書2025」によると、IT分野における市場の拡大が顕著です。
ITエンジニア市場の数値
- 2015年の市場規模: 7,199億円
- 2025年の市場規模予測: 1兆1,849億円
- 成長率: 約1.6倍(10年間)
ITフリーランス人口の推移と予測
- 2024年: 35万人を突破
- 2028年予測: 45万人
- フリーランスエージェント市場規模: 4,300億円規模
エンジニア副業の平均収入データ
副業の収入区分
ランサーズの調査によると、副業従事者は以下のように分類されます:
副業系すきまワーカー
- 平均年収: 63万円
- 特徴: 隙間時間を活用した副業
副業パラレルワーカー
- 平均年収: 116万円
- 特徴: 複数の仕事を並行して実施
月収のボリュームゾーン
副業をしている人の月収分布:
- 5~10万円未満: 23.8%(最多ボリュームゾーン)
- 10万円以上: 相当数が到達可能な水準
ITエンジニアの月額平均単価
エン・ジャパンの調査(2025年3月時点)によると:
- フリーランスエンジニアの月額平均単価: 75.5万円
この数値は上昇傾向にあり、ITエンジニアのスキルに対する市場の高い評価を示しています。
年収別の分布
エンジニア・技術開発系とコンサルティング系の年収分布:
- 400万円以上の割合: 約80%
ITエンジニア副業の主な案件分類
1. Web制作・開発案件
企業のコーポレートサイトやランディングページ(LP)の制作案件は、継続的に需要があります。
2. アプリ開発案件
モバイルアプリケーションおよびWebアプリケーションの開発案件も豊富にあります。
3. 技術顧問・コンサルティング
経験豊富なエンジニアによる技術アドバイザーとしての業務も増加傾向にあります。
案件獲得の主要プラットフォーム
クラウドソーシングサービス
以下のプラットフォームが主要な案件獲得チャネルとなっています:
- ランサーズ: 国内最大級のクラウドソーシングプラットフォーム
- クラウドワークス: 幅広い案件カテゴリー
- ココナラ: スキル販売型プラットフォーム
エージェントサービス
ITエンジニア向けのエージェントサービスも選択肢として存在します:
- レバテックフリーランス: IT特化型エージェント
- ITプロパートナーズ: 週2日からの案件対応
- シューマツワーカー: 週末稼働案件の仲介
エージェント市場は4,300億円規模に達しており、多くのエンジニアがこれらのサービスを活用しています。
副業に関する法的・税制上の要件
確定申告の義務
以下の条件に該当する場合、確定申告が必要です:
- 副業収入が年間20万円を超える場合: 給与所得者でも確定申告が必要
- 専業フリーランスの場合: 所得が基礎控除額(48万円)を超える場合
2024年以降の確定申告変更点
マイナンバーカードを活用した電子申告(e-Tax)の利用が推奨されており、手続きの効率化が進んでいます。
企業のITフリーランス活用意向
エン・ジャパンの「ITフリーランス市場調査レポート」によると、企業側の活用意向も高まっています。
企業の活用状況
- 現在ITフリーランスを活用中の企業: 60%が「今後、活用を増やしたい」と回答
この数値は、ITエンジニアの副業・フリーランスに対する企業側の需要が継続的に拡大していることを示しています。
副業市場の今後の予測
2028年までの成長予測
- ITフリーランス人口: 2024年の35万人から2028年には45万人へ
- 増加数: 4年間で約10万人の増加
- 年平均成長率: 約6.5%
市場拡大の背景
- 企業のDX推進: デジタルトランスフォーメーションの加速
- 人材不足: IT人材の恒常的な不足
- リモートワークの普及: 働き方の多様化による副業環境の整備
- スキルベース経済: 個人のスキルが直接評価される市場の拡大
副業従事者の時間配分
平均的な稼働時間
副業パラレルワーカーの一般的な時間配分:
- 平日夜間: 2~3時間
- 週末: 8~16時間
- 月間合計: 40~60時間程度
この時間配分で、月収10万円前後を達成している例が多く見られます。
スキル別の需要動向
高需要スキル
ITエンジニア市場で需要が高いスキルセット:
- Webフロントエンド: React、Vue.js、Next.js等のモダンフレームワーク
- バックエンド: Node.js、Python、Go等のサーバーサイド技術
- クラウド: AWS、Azure、GCP等のクラウドインフラ
- モバイル: React Native、Flutter等のクロスプラットフォーム開発
- AI/機械学習: データサイエンス関連技術
税制優遇制度との併用
小規模企業共済
副業収入が事業所得と認められる場合、小規模企業共済への加入が可能です。掛金は全額所得控除の対象となり、節税効果があります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
副業収入がある場合でも、iDeCoへの加入が可能です。掛金の上限は加入区分によって異なります。
統計データが示す副業の実態
以下の客観的データから、ITエンジニア副業市場の現状が明らかです:
- フリーランス人口1,303万人、経済規模20.3兆円(2024年)
- IT市場は10年で1.6倍成長、2025年に1.18兆円規模
- ITフリーランス平均単価75.5万円(2025年3月時点)
- 副業月収ボリュームゾーン5~10万円(全体の23.8%)
- 2028年までにITフリーランス人口45万人到達予測
これらの統計は、ITエンジニアのスキルに対する市場の高い評価と、副業市場の継続的な成長を数値で裏付けています。
参考データ出典:
- ランサーズ株式会社「フリーランス実態調査2024年版」(2025年1月発表)
- INSTANTROOM株式会社「ITフリーランス及びフリーランスエージェント市場白書2025」
- エン・ジャパン「ITフリーランス市場調査レポート」(2025年3月時点)
- 国税庁 確定申告に関する公式情報


