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日本の出生数・出生率の統計データ:2024年68万人割れと少子化の実態

2026年1月13日

日本の少子化が加速しています。2024年の出生数は統計開始以降初めて70万人を割り込み、合計特殊出生率も過去最低を更新しました。本記事では、厚生労働省が公表している最新の人口動態統計をもとに、出生数・出生率の推移、地域別の状況、少子化の要因、そして国の想定を大きく上回るペースで進む人口減少の実態について詳しく解説します。

目次

  • 2024年の出生数・出生率:歴史的な節目
  • 出生数が初めて70万人を割る
  • 合計特殊出生率も過去最低
  • 出生率1.3未満は「超少子化」
  • 出生数の歴史的推移
  • 第1次ベビーブームから現在まで
  • 近年の急激な減少
  • 2025年の推移と予測
  • 2025年上半期の実績
  • 2025年通年の予測
  • 2026年以降の見通し
  • 合計特殊出生率の推移
  • 戦後から現在までの推移
  • 人口置換水準との乖離
  • 都道府県別の出生率
  • 2023年度の都道府県別出生率
  • 地域的特徴
  • 東京都の深刻さ
  • 少子化が国の想定より早く進む理由
  • 国立社会保障・人口問題研究所の予測との比較
  • 予測が外れた主な要因
  • 出生数減少の社会的・経済的影響
  • 人口減少の加速
  • 労働力人口の減少
  • 社会保障制度への影響
  • 地方の消滅可能性
  • 少子化対策の現状と課題
  • 政府の主な少子化対策
  • 予算規模
  • 効果の限界
  • 諸外国との比較
  • 先進国の出生率(2023年)
  • アジア諸国の状況
  • 出生率回復に成功した国
  • 少子化の根本的要因
  • 未婚化・晩婚化
  • 経済的要因
  • 雇用の非正規化
  • 価値観の変化
  • 2040年・2050年の人口予測
  • 国立社会保障・人口問題研究所の予測(2023年推計)
  • 出生数の予測
  • 少子化を食い止めるために必要なこと
  • 海外の成功事例から学ぶ
  • 社会全体の意識改革
  • まとめ:深刻化する少子化と今後の課題

2024年の出生数・出生率:歴史的な節目

出生数が初めて70万人を割る

厚生労働省が2024年12月に公表した「令和6年(2024年)人口動態統計月報年計(概数)」によると、2024年の出生数は68万6,061人となりました。

これは前年(2023年)の72万7,277人から4万1,216人減少(前年比5.7%減)しており、統計のある1899年以降で初めて70万人を割り込みました。

合計特殊出生率も過去最低

2024年の合計特殊出生率は1.15となり、前年の1.20から0.05ポイント低下し、過去最低を更新しました。

合計特殊出生率とは、1人の女性が生涯に産む子どもの数の平均を示す指標です。人口を維持するためには2.07程度が必要とされていますが、日本の出生率は1975年以降、この水準を一度も上回ったことがありません。

出生率1.3未満は「超少子化」

国際的には、出生率が1.3未満になると「超少子化」と呼ばれ、深刻な少子化状態とされています。日本は2024年の1.15で、この超少子化の状態にあります。

出生数の歴史的推移

第1次ベビーブームから現在まで

日本の出生数は、戦後大きく3つの時期に分けられます:

1. 第1次ベビーブーム(1947-1949年)

  • 1949年: 269万6,638人(戦後最多)
  • 戦地から帰還した男性と結婚・出産が集中

2. 第2次ベビーブーム(1971-1974年)

  • 1973年: 209万1,983人
  • 第1次ベビーブーム世代が出産適齢期に

3. 減少の加速(1975年以降)

  • 1975年: 190万1,440人(出生率2.0を割る)
  • 1989年: 124万6,802人(「1.57ショック」)
  • 2000年: 119万0,547人
  • 2016年: 97万6,979人(100万人割れ)
  • 2019年: 86万5,234人(90万人割れ)
  • 2022年: 77万747人(80万人割れ)
  • 2024年: 68万6,061人(70万人割れ)

近年の急激な減少

特に2016年以降の減少ペースが加速しています:

  • 2016年: 97万6,979人
  • 2017年: 94万6,065人(▲3.1万人)
  • 2018年: 91万8,397人(▲2.8万人)
  • 2019年: 86万5,234人(▲5.3万人)
  • 2020年: 84万835人(▲2.4万人)
  • 2021年: 81万1,622人(▲2.9万人)
  • 2022年: 77万747人(▲4.1万人)
  • 2023年: 72万7,277人(▲4.3万人)
  • 2024年: 68万6,061人(▲4.1万人)

この8年間で、出生数は29万918人減少しており、年平均で約3.6万人のペースで減少が進んでいます。

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2025年の推移と予測

2025年上半期の実績

厚生労働省が2025年8月に公表したデータによると、2025年1~6月の出生数は33万9,280人で、前年同期比3.1%減少しました。これは上半期としての過去最少を更新しています。

2025年通年の予測

日本総合研究所(2025年2月)の推計によると、2025年の出生数は前年比3.0%減の66万5,000人程度となる見通しです。これは2年連続で70万人を割り、過去最少を更新することを意味します。

民間調査会社coki(コーキ)の分析では、2025年の出生数は66万8,000人と予測されており、いずれの予測も66万人台となっています。

2026年以降の見通し

このペースが続くと:

  • 2026年: 約65万人
  • 2027年: 約63万人
  • 2028年: 約61万人
  • 2030年: 約57万人

と、2030年には60万人を割り込む可能性が高まっています。

合計特殊出生率の推移

戦後から現在までの推移

  • 1947年: 4.54(戦後最高)
  • 1950年: 3.65
  • 1960年: 2.00
  • 1975年: 1.91(人口置換水準を初めて下回る)
  • 1989年: 1.57(「1.57ショック」)
  • 2005年: 1.26(過去最低、その後若干回復)
  • 2015年: 1.45
  • 2020年: 1.33
  • 2021年: 1.30
  • 2022年: 1.26
  • 2023年: 1.20
  • 2024年: 1.15(過去最低更新)

人口置換水準との乖離

人口を維持するために必要な出生率は2.07ですが、2024年の1.15は、この水準を0.92ポイントも下回っています。

この乖離は年々拡大しており:

  • 2015年: 0.62ポイント差
  • 2020年: 0.74ポイント差
  • 2024年: 0.92ポイント差

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都道府県別の出生率

2023年度の都道府県別出生率

厚生労働省の2023年データによる都道府県別の合計特殊出生率:

上位5県:

  1. 沖縄県: 1.60
  2. 宮崎県: 1.50
  3. 鹿児島県: 1.48
  4. 島根県: 1.47
  5. 長崎県: 1.46

下位5都府県: 43. 宮城県: 1.07 44. 北海道: 1.06 45. 京都府: 1.05 46. 東京都: 1.04 47. 秋田県: 1.02

地域的特徴

高い地域の特徴:

  • 九州・沖縄地方が上位を占める
  • 地方都市が比較的高い
  • 家族的な文化が残る地域

低い地域の特徴:

  • 大都市圏(東京、京都)が下位
  • 未婚率が高い地域
  • 晩婚化が進む地域

東京都の深刻さ

東京都の出生率1.04は全国平均1.20を大きく下回っており、首都圏への人口集中が少子化を加速させている状況が浮き彫りになっています。

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少子化が国の想定より早く進む理由

国立社会保障・人口問題研究所の予測との比較

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が2017年に公表した「日本の将来推計人口(平成29年推計)」では、出生数が70万人を割るのは2038年と予測していました。

しかし、実際には2024年に70万人を割り込み、予測より14年も早くこの水準に達しました。

2023年に公表された最新の推計(令和5年推計)でも、少子化のペースは想定を上回っており、16年早く人口減少が進んでいるとされています。

予測が外れた主な要因

1. 未婚率の上昇

  • 50歳時点の未婚率(生涯未婚率)が想定以上に上昇
  • 男性: 2015年23.4% → 2020年28.3%
  • 女性: 2015年14.1% → 2020年17.8%

2. 晩婚化の加速

  • 平均初婚年齢の上昇
  • 男性: 2015年31.1歳 → 2023年31.6歳
  • 女性: 2015年29.4歳 → 2023年29.7歳

3. 夫婦の出生数減少

  • 完結出生児数(夫婦が最終的に持つ子どもの数)の減少
  • 2015年: 1.94人
  • 2021年: 1.90人

4. 経済的不安の増大

  • 非正規雇用の増加
  • 実質賃金の伸び悩み
  • 住宅費・教育費の負担増

5. コロナ禍の影響

  • 2020-2021年の結婚数減少
  • 将来不安の高まり
  • 出会いの機会減少

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出生数減少の社会的・経済的影響

人口減少の加速

人口動態の悪化:

  • 2024年の死亡数: 約159万人
  • 出生数: 68.6万人
  • 自然減: 約90万人(過去最大)

日本の総人口は、毎年約90万人のペースで減少しており、地方都市1つが毎年消滅している計算になります。

労働力人口の減少

生産年齢人口(15-64歳)の推移:

  • 1995年: 8,716万人(ピーク)
  • 2023年: 7,395万人
  • 2040年予測: 5,978万人

労働力不足は、経済成長の大きな制約要因となっています。

社会保障制度への影響

社会保障費の負担増:

  • 高齢化率: 2023年29.1% → 2040年予測35.3%
  • 現役世代1人あたりの高齢者数増加
  • 年金・医療・介護費用の増大

2024年度の社会保障給付費は約140兆円で、国民所得の約37%を占めています。

地方の消滅可能性

日本創成会議の分析(2014年)では、2040年までに全国の自治体の約半数(896自治体)が「消滅可能性都市」とされています。

少子化対策の現状と課題

政府の主な少子化対策

1. 児童手当の拡充(2024年10月)

  • 所得制限の撤廃
  • 高校生まで対象拡大
  • 第3子以降の増額(月3万円)

2. 育児休業制度の充実

  • 男性育休取得率目標: 2025年50%
  • 産後パパ育休の導入

3. 保育所の整備

  • 待機児童ゼロ目標
  • 保育の無償化(2019年10月開始)

4. 教育費の軽減

  • 高等教育の無償化
  • 給付型奨学金の拡充

予算規模

2024年度の少子化対策関連予算は約3.6兆円で、GDP比約0.6%です。これは欧州諸国(GDP比2-3%)と比較して低水準にとどまっています。

効果の限界

これらの対策にもかかわらず、出生数は減少を続けており、より抜本的な対策が必要とされています。

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諸外国との比較

先進国の出生率(2023年)

  1. イスラエル: 2.90
  2. フランス: 1.79
  3. アメリカ: 1.62
  4. イギリス: 1.49
  5. ドイツ: 1.46
  6. イタリア: 1.24
  7. 日本: 1.20(2023年)
  8. 韓国: 0.72(世界最低)

アジア諸国の状況

  • シンガポール: 1.04
  • 台湾: 0.87
  • 中国: 1.09
  • 韓国: 0.72

東アジアは世界的に見ても出生率が低い地域となっています。

出生率回復に成功した国

フランスの事例:

  • 1994年: 1.66 → 2010年: 2.03
  • 家族政策への大規模投資(GDP比3.5%)
  • 多様な家族形態への支援
  • 仕事と育児の両立支援

スウェーデンの事例:

  • 1999年: 1.50 → 2010年: 1.98
  • 充実した育児休業制度
  • 男性の育児参加促進
  • 保育サービスの充実

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少子化の根本的要因

未婚化・晩婚化

50歳時未婚率(生涯未婚率)の推移:

男性:

  • 1990年: 5.6%
  • 2000年: 12.6%
  • 2010年: 20.1%
  • 2020年: 28.3%
  • 2023年推計: 約30%

女性:

  • 1990年: 4.3%
  • 2000年: 5.8%
  • 2010年: 10.6%
  • 2020年: 17.8%
  • 2023年推計: 約20%

経済的要因

年収別の既婚率(30-34歳男性、2020年):

  • 年収300万円未満: 25.7%
  • 年収300-400万円未満: 43.7%
  • 年収400-500万円未満: 54.0%
  • 年収500-600万円未満: 61.9%
  • 年収600万円以上: 68.4%

経済的安定が結婚・出産の大きな要因となっていることが分かります。

雇用の非正規化

非正規雇用率の推移(25-34歳):

男性:

  • 2000年: 13.3%
  • 2023年: 19.4%

女性:

  • 2000年: 39.5%
  • 2023年: 42.3%

若年層の非正規雇用増加が、経済的不安定さにつながっています。

価値観の変化

結婚に関する意識(国立社会保障・人口問題研究所、2021年調査):

18-34歳の未婚者のうち:

  • 「いずれ結婚するつもり」: 男性81.4%、女性84.3%
  • 結婚意思はあるが実現していない状況

結婚しない理由:

  1. 適当な相手にめぐり合わない: 45.2%
  2. 結婚資金が足りない: 43.3%
  3. 異性とうまくつき合えない: 26.4%

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2040年・2050年の人口予測

国立社会保障・人口問題研究所の予測(2023年推計)

総人口:

  • 2023年: 1億2,435万人
  • 2030年: 1億1,913万人
  • 2040年: 1億1,092万人
  • 2050年: 1億0,469万人

生産年齢人口(15-64歳):

  • 2023年: 7,395万人(59.5%)
  • 2040年: 5,978万人(53.9%)
  • 2050年: 5,540万人(52.9%)

高齢者人口(65歳以上):

  • 2023年: 3,623万人(29.1%)
  • 2040年: 3,921万人(35.3%)
  • 2050年: 3,953万人(37.7%)

出生数の予測

現在のペースが続くと:

  • 2030年: 約55-60万人
  • 2040年: 約45-50万人
  • 2050年: 約40万人

少子化を食い止めるために必要なこと

海外の成功事例から学ぶ

1. 大胆な財政投資

  • GDP比2-3%の家族政策予算
  • 現在の日本(0.6%)から大幅増額

2. 仕事と育児の両立支援

  • 男性育休の実質的な取得促進
  • 長時間労働の是正
  • テレワーク・フレックスの拡大

3. 経済的支援の強化

  • 児童手当のさらなる拡充
  • 教育費の無償化範囲拡大
  • 住宅支援の充実

4. 若者の雇用安定化

  • 正規雇用の拡大
  • 賃金の引き上げ
  • 非正規雇用の待遇改善

5. 出会いと結婚の支援

  • マッチングサービスの公的支援
  • 結婚に関する経済的支援
  • ライフプラン教育の充実

社会全体の意識改革

  • 長時間労働文化の見直し
  • 男性の育児参加を当然とする文化
  • 多様な家族形態の受容
  • 子育てしやすい社会づくり

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まとめ:深刻化する少子化と今後の課題

2024年の出生数68万6,061人、出生率1.15という数字は、日本の少子化が想定を大きく超えるペースで進行していることを示しています。

現状の深刻さ:

  • 初の70万人割れ(2024年)
  • 過去最低の出生率1.15
  • 国の予測より14-16年早い減少
  • 2025年は66万人台の予測

社会的影響:

  • 年間90万人の人口減少
  • 労働力不足の深刻化
  • 社会保障制度の持続可能性
  • 地方自治体の消滅危機

必要な対策:

  • GDP比2-3%規模の財政投資
  • 若者の雇用安定化と賃金改善
  • 仕事と育児の両立支援強化
  • 社会全体の意識改革

少子化対策は、単なる子育て支援にとどまらず、雇用、教育、住宅、働き方改革など、社会全体の構造改革が必要です。今後5-10年の取り組みが、日本の将来を大きく左右することになります。


参考情報出典:

  • 厚生労働省「令和6年(2024年)人口動態統計月報年計(概数)」(2024年12月公表)
  • 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(2023年)
  • 日本総合研究所「2025年の出生数は66.5万人」(2025年2月)
  • こども家庭庁統計資料
  • 内閣府「少子化社会対策白書」各年版

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